今回の旅で一番のオドロキはこのスウェーデンの国政選挙戦を“生”でみれたことかもしれません。
なんせ、3年に一度の9月第三日曜日が投票日とあって、まっただ中を見れたのです。
過去ギャラリーでスウェーデンの政治については触れてきましたが、実際の選挙戦は実に新鮮な衝撃を受けたのです。
タイトルにもあるように90%を誇る投票率!ですが、これは市民側政治側双方がきっちりとスウェーデンと言う国や自分の住んでいる地域の事を真剣に考え、議論し、カイゼンしていこうとする現れ何だと思います。
そして、政治側はどれだけ自分たちの主張を分かりやすく伝えるかに徹し、市民側は各政党の話を良く聞いて、「これは」という政党に投票します。
ツアーで一緒にまわってくれたスウェーデン人の担当者は私と同い年で、「もちろん、投票に行くし、各政党の細かい政策をしっかり聞く。そうでなければ我々の生活に支障をきたすから」と。当たり前っちゃそうなんですが、日本とは随分違いますよね^_^;
ここで、少し選挙について触れておきますと・・・
○国政と地方の同時開催(3年毎)
○政治家本人の投票ではなく政党に投票する比例代表制
○地方議員ほとんどが兼業、しかも市の職員でも立候補可能
○議員の平均年齢は40歳代。60歳代はほとんどいない
○女性の議員比率は50%近い
私の見た印象は「とにかくオシャレ!」何ともスマートな選挙活動なんですよこれが。
街宣カーで候補者の名前を連呼したり、ビールケースの上に立ってがなり声あげて話をしたりすることは一切せず、画像にもあるように町の中心部にオシャレな選挙事務所のような“出店”を出し、そこに政党のパンフや政策コンセプトを閲覧できたり、党員から直接説明を聞いたりできるんです。
これはいいな~と思ったのはインタビューアーが候補者に色々聞いてそれに応えるというステージがあり、ビールケースから一方的にガガガガとしゃべるよりよっぽど具体的でより分かりやすい方法だと思いますね。
それに、この出店がみんな個性的でオシャレなこと!それぞれ政党カラーがあり、ロゴのデザインもすごいセンスがいいんです。これが政党か?と見紛うくらいとにかくオシャレなんです。
多分政策の中身はもちろん、大事ですがそれと同じくらい「センス」も問われているのだろうと思います。
デザインについては別テーマで書きますが、スウェーデンや北欧、ヨーロッパの人々はこのロゴひとつとってもセンスを要求してくるし、センスが悪いと全てダメという評価を受けるのかもしれません。
因みにこれまでは社会民主党が同国の与党で長く政権を維持していましたが、前回の選挙で中道右派政権に与党の座を奪われ、今回の選挙でもそのまま中道右派の勝利だったようです。
政策討論番組はトータル視聴率80%を超え、翌日には手話つきの再放送もあり、ほとんどの国民が見ているようです。
さらに、候補者が中学や高校に出向き公開討論会をやったり、高校生からの質問を1時間半にわたり返答したりと。質問する側もグループ討論会や美術の時間に政党のポスターをつくったりと学校上げて選挙の話題づくりをしているのです。
こんな環境だったら小さいころから国や地域の政治に関心を持つでしょうし、仕事は兼業アリなので自分も議員になり世の中を良くしたいという心も芽生えやすいでしょうね。
選挙権が18歳からなので、高校卒業と同時に選挙が出来るし、日本の下手な20歳よりも(いや41歳の私よりも^_^;)大人だし、政策に関する色んな勉強もしているので候補者はなかなか手ごわい有権者だと思いますね。
投票率を上げるためにタレントを使ってアピールもいいけど、もっともっと根底からしっかりと教育して行けば90%なんて当たり前になるのでしょうし、実際選ばれた議員が地域のため国のために一生懸命働くのですから素晴らしい善循環としか言いようがないですね。
はやくニッポンもこんな感じになってくれるといいのですがね。。。