前回も身近な部分で環境問題を取り上げましたが、今回は身近だけど大きい環境対策に目を向けたレポート! これが日本でも出来たらなぁ・・。以前にこのギャラリーで「もう一度エコロジーについて考えてみました」というテーマでドイツとスウェーデンを フィーチャーしました。 内容が被らないように(^_^;)お話していきたいと思います。
今回の教科書も藤井威先生の「スウェーデンスペシャル」(本文中赤字)を参考にさせて頂きました。このスウェーデンという国は、色んな著書を読めば読むほど「環境問題」に対して本当に切なる思いでしようと様々な努力をしているんだなぁとつくづく思います。それは、自国の弱みをカバーする為に努力している事でも当然あるのですが、全世界的な流れである「経済成長」最重要の発展ではなく、「環境問題」最重要の発展を基本にして、全ての施策を決定しているところにこの国の凄さと大人度が伺えます。その良い例が「二酸化炭素税」。
1991年に二酸化炭素排出量1t当り、250クローネ(約¥4,000)という税を導入し、93年320クローネ、96年370クローネ、01年530クローネとなり02年には630クローネにまでいき上げられている。また、硫黄税も導入され、固体あるいは液体燃料に含有されている硫黄1kgに対して、30クローネが課税されている。スウェーディシュ・インスティテュート資料によると、80年から96年の間に国内の硫黄排出量は81%減少したわけだが、このうちの三分の一は課税効果と推定されている。さらに、92年には酸化窒素税が導入され、大規模な焼却工場からの窒素排出に対して1kg当り40クローネが課税されている。
日本でもようやく「炭素税」の言葉は出てきましたが、経済界からの猛反発で廃止になっている現状でもうすでに、1991年に導入されて当時の倍以上の税額となっているのをみても「経済」重視と「環境」重視の姿勢の違いがくっきり出ています。04レポートシリーズでお話しているこの国の「美化して後世に残す」思想がこんなところにも現れていますし、もっと凄いのが国レベルでも、当たり前のように古くからこの思想の元で外交が行われているんですね。
1969年の国連総会で同国の提案により国際環境会議の開催が決定され、当時の首相エランデル氏が準備委員長に就任した。その3年後の72年に、ストックホルムで第一回国連人間環境会議が開かれ、この地球上の有限の資源と環境を略奪的に利用しつくそうとする社会から、共生の社会への転換を告げる画期的な宣言である「人間環境宣言」が採択され、107項目に及ぶ行動計画が各国に勧告された。
69年というと私が生まれる1年前(^_^;)。70年には万博が開かれ、日本は高度経済成長まっしぐらのトキですね。その後、石油ショックがあり、そこで資源は有限なんだ!と少し気付き始めた頃なんじゃないでしょうか?ここでも環境認識の歴史の差が出てます。で、この今から33年前の環境会議が、皆様ご存知「京都議定書」のご先祖様にあたるわけですね。
つまり、以前にもお話した92年の「アジェンダ21」採択も、もちろんこの会議がなければ土台がないわけですし、また、そこから95年のベルリンで開かれた。そして、97年京都で開かれたCOP3が京都議定書発行合意決定に繋がっていくんですね。ナノデご先祖様なんです。そして、いみじくも05年2月にその議定書に日本もサインがなされたと言うわけなんですね
では、地方レベルではどうかといいますと、これも以前にお話したベクショー市を代表とされるように各地区それぞれ「ローカル・アジェンダ21」の達成を懸命に努力していて、例えばストックホルム市の「ハンマビー臨海地区開発」では、89年~93年に建てられた建物に比べて、環境負荷を半減させるという目標で当面は8,000戸のアパートと人口3万人のエコタウンを作るべく、厳しいリサイクル規制の建築計画、屋上太陽光パネル、家庭ごみのバイオガス転換、全域に散歩道と自転車道の整備、汚染土壌の全面的改良等々を施し、このプロジェクトをローカル・アジェンダ21の国際的模範例とする意気込みでやっている。その他にも、マルメ市の「オークステンボリの再生計画」でも同様な試みが、カルマル市「カルマル・ダーム・プロジェクト」では、スウェーデン初の自然循環型浄化パークがあり、およそ40ヘクタールのうち水面20ヘクタールの湿地を整備し、アシなどの自然の力によって窒素などの富栄養化をもたらす成分を除去しつつ、野鳥天国として、また市民のレクレーションの場として活用する複合目的の事業もある。
この公園はナント雨水を浄化する為のプロジェクトなんですね。汚水ではないんですよ。雨水ですよ!ウ・ス・イ!!で、もっともっと身近で私がすっごく感動したのが道路システムなんです。普通、交差点には信号がついていて、クルマは青になれば直進しますよね。もちろんスウェーデンも都会では信号がついてるんですが、少し離れると、信号がないんですよ。どうなってるのかと言いますと写真・図のようになっていてこれが何故エコロジーに繋がるのかと言いますと、信号機を作らなくてイイ。当然電気代がかからない信号維持費も0。直進続きでとばす事が出来ない為事故の確率が低い、というより0に近い。当然クルマも壊れない。ゴミも出ない。もっと利点はあるのでしょうが、本当に素晴らしいシステムだと思います。
弊社取り扱いメーカーのFIXBOAD社の集成材工場では、削った木屑を固めて固形燃料(RDF)を作り、それらを燃焼させて様々なエネルギーに利用しています。市単位でそのような工場と契約して各家庭に温水を供給している所が大半だという事です。
とまぁ、本当に環境問題では奥が深すぎるスウェーデンなんですが、今年も研修に行って参ります!恐らくストックホルムのハンマビーには行けるだろうと思いますので、又色んなものを見聞きしてきたいと思います 最後に愛知万博の北欧パビリオンは行くには行ってきましたが・・・。ま、やはり遠いからそんなに気合の入った展示はなかなか難しいんでしょうね他国も同様でしたし。やはり本場がイチバンって事でしょうね!!
今回の教科書「スウェーデンスペシャルⅡ,Ⅲ藤井威著
こういうルールで走ります
このサークルに進入して時計と反対回りで進行
サークル内進行車優先
FIX BOAD社おがRDF
RDFのUP画像